インテルは、国内有力企業のCIO(最高情報責任者)やシステムインテグレーター、経済産業省、総務省の幹部らが意見交換する「Intel Executive Round Table 2012」を開催した。

 ユーザー企業からは、カブドットコム証券、大日本印刷、東京海上日動システムズ、ヤフーなど8社が参加。全体のテーマは「ビジネス現場の想像力を活かすIT部門のインテリジェンスを身に付けよ」。特にスマートデバイスの活用と課題に力点を置き、2012年11月9日午後の半日間にわたって、インテル幹部を交え活発な議論が繰り広げられた。

ビッグデータの分析が企業競争力を左右

写真1●米インテルDirector of Worldwide Industry Analyst Relationsのジーンアン・ニコルス氏
写真1●米インテルDirector of Worldwide Industry Analyst Relationsのジーンアン・ニコルス氏
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 最初に登壇したのは、米インテルDirector of Worldwide Industry Analyst Relationsのジーンアン・ニコルス氏(写真1)。新興市場を中心にスマートフォンとタブレットの台数が大きく伸張。2015年までに150億以上のデバイスがインターネットにつながる「The Internet of Things」が現実のものになり、それらのデバイスに対して、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドからあらゆるサービスが提供される可能性を述べた。

 ITのコンシューマライゼーションもさらに進み、BYOD(私物デバイス活用、関連サイト)が大きな流れになってくる。IT部門にとっては、セキュリティやプライバシーをどう守るかが大きな課題になる。

 ビッグデータが企業にとって重要性を増している点についても言及した。ビッグデータは単にデータ容量が大きいだけではなく、Volume、Velocity、Variety、Valueという4つのVを網羅していることが条件であるという。ビッグデータ分析してマーケティング活動を支援するのはIT部門の役割であり、今後、この分析力が企業の競争力を決める大きな差異化要因になるとした。

 ニコルス氏の講演を受けて、「ビジネス現場でのIT利活用とその課題」と題したパネルディスカッションが実施された。パネリストは、東京海上日動システムズの颯田(さった)雅之取締役、ヤフーの西牧哲也執行役員CSO(チーフセキュリティオフィサー)・システム統括本部長、NTTデータの遠藤宏執行役員基盤システム事業本部長、インテルアメリカDirector of Americas Enterprise Solution Salesのフランク・ジョンソン氏とニコルス氏だ。ビジネスとITをどのように結び付けていくべきかについて議論した。