「商品が多すぎて、好みのものを見付けるのに時間がかかる」「いつも似通った商品、同じブランドの商品しか目に入らない」---。これは、多くのオンラインショッピングサービスのユーザーが感じている悩みだろう。その解決を目指してF.F.Bが開発したのが、iPhone向けのソーシャルショッピング体験サービス「Stylink.」だ。


写真1●フォローする人によってお薦め商品が決まる「Stylink.」
写真1●フォローする人によってお薦め商品が決まる「Stylink.」
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写真2●「スタイルサーチ」では、ファッション雑誌を読み進めるようにしてアイテムを選択することにより、そのユーザーの好みを把握する
写真2●「スタイルサーチ」では、ファッション雑誌を読み進めるようにしてアイテムを選択することにより、そのユーザーの好みを把握する
エトキ2
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 Stylink.は、「ファッションスタイル」「ライフスタイル」を媒介にしたソーシャルグラフを用いることで、膨大なファッション、インテリア商品の中から自分の好みのものを見付けて出してくれるサービスだ。2012年11月5日からApp Store経由で専用アプリをダウンロードできるようにした。同社代表取締役の遠藤健一郎氏は「“最短距離”で商品にたどりつくことを目指している」という。

 “最短距離”で商品を見付けるためにStylink.が採用した方法は、「スタイルサーチ」と呼ぶ商品選択画面を見せることで、ユーザーの好みを把握し、その好みに近い他のユーザーを紹介してくれること。そのユーザーをフォローすることで、そのユーザーのアイテムをお薦め商品として次々と見せてくれるという仕組みだ(写真1)。

 このスタイルサーチの見せ方には工夫を施した。単なる商品の2択ではなく「この冬に流行るコート特集」といった具合に、あたかもファッション雑誌を読み進めるかのように商品チェックをさせながらユーザーの好みを把握していくのだ(写真2)。

 Stylink.のもう一つの特徴は、取り扱う商品が多いこと。Stylink.では、楽天やZOZOTOWNなど多岐にわたるファッション、インテリア関連の主要なオンラインショップから商品を集めている。10月中旬時点で、約45万アイテムをそろえているという。

 「現在のオンラインショッピングでは、訪問するサイトが固定化しがちで目にする商品も限定されてしまう。多くの他社サイトとの連携により、選択対象を広げながらも、好みを絞り込めるようにした」(遠藤氏)。Stylink.自身では商品販売をせず、他社のショッピングサイトに誘導するだけなので、共存関係が築けるとみる。

 10月上旬から50~60人のユーザーに先行公開したところ、面白い結果が見えてきたという。それは、特定のユーザーにフォロワーが集まる傾向だ。「当初は、多くの人が互いにフォローし合う“N対N”型のネットワークを想定していたが、実際には、一部のカリスマ的ユーザーにフォローが集中する“1対N”型ネットワークが形成された」(遠藤氏)。

 今回の正式リリースに続く第2段階の取り組みとして、オンライン上の行動からオフラインの行動に誘導する「O2O」(Online to Offline)の取り組みを計画しているという。詳細はまだ明らかにしていないが、2013年前半にも提供する予定だとしている。