2013年7月のみずほ銀行(BK)・みずほコーポレート銀行(CB)合併に先駆け、みずほは2012年4月にみずほフィナンシャルグループ(FG)とBK、CBの組織を統合し、新生みずほとしてスタートを切っている。そのみずほは2016年3月末をメドに、BKとCB、みずほ信託銀行(TB)の勘定系システムを統合する(関連記事:[スクープ]みずほの次期システムはマルチベンダー、4社に分割発注)。
「システム統合は新生みずほを象徴するプロジェクトだ」。FGの高取次長は力を込める。日経コンピュータの取材で、システム統合の概要が明らかになった。
システム統合における最大のポイントは、勘定系システムを全面刷新することだ。既存の業務にとらわれず、銀行業務のあるべき姿を描き、それを実現するシステムを構築する。
機能単位でコンポーネント化
BK、CB、TBのいずれかのシステムに片寄せはしない。「不動産信託」など独自商品を持つTBのシステムは一部残す可能性があるものの、BKやCBのシステムは廃棄する。1988年から24年間にわたって使い続けているBKの勘定系システム「STEPS」を、ついに刷新するわけだ。
新システムはどう作るのか。みずほは勘定系システムのハードウエアだけでなく、アーキテクチャーそのものを全体最適の観点で刷新する考えだ。注目は業務アプリケーションの「コンポーネント化」である。預金、融資、為替といった機能ごとにアプリケーションを切り分け、業務コンポーネントとしてまとめる(図1)。
各コンポーネントは「共通基盤」と呼ぶプラットフォームを通じて連携する。共通基盤にはCIF(カスタマー・インフォメーション・ファイル)や処理フローの制御など、各コンポーネントが共通して必要とする機能を実装する。
みずほは日本IBM製メインフレームをベースに、共通基盤を先行して構築し始めた。2013年3月までに、完成した部分から稼働させる予定だ。