にわかにASEAN(東南アジア諸国連合)に関心が集まり始めた。2015年にASEAN統合を控えてのことだが、日本ではミャンマーが話題の中心になっている。そのミャンマーを商談で訪れ、こんな光景に出くわした。

 「どれが本物の部品か分かりますか」
ミャンマーのヤンゴン市内のとある自動車修理工場での商談だ。日本から来てもらった自動車修理の専門家を連れ、現地で販売されている自動車部品を点検しているときのことだった。

 「箱にはMade in Japanと書いてありますね」
山のように机の上に並べられた数々の自動車補修用部品の箱には、どれにもMade in Japanの文字が並ぶ。英語の表記の横にご丁寧に日本の説明までついている。しかし、この日本語がいかにも怪しいのだ。

 「日本人ならこんな説明文は書きませんよ。明らかに偽物でしょう。でも、中に入っている部品は、偽物か本物か見分けがつきませんね」