最近、iPad miniなど7インチ前後のディスプレイを搭載する安価な製品が発売されたことで、あらためてタブレットに注目が集まっている。それゆえタブレット向けアプリのニーズも、今後急速に高まるものと考えられる。
そこで今回は、現在タブレットアプリの主戦場となっているiPad向けのApp Storeを、iPhone向けApp Storeと比較してその違いを理解するとともに、仕組み上の違いから、iPhoneとiPadでユーザーの行動にどのような違いが出てくるのかを考察する。
レイアウトは異なるが構成は同じ
iPadがiPhoneと大きく異なるポイントは、当然ながらディスプレイサイズである。iPadは9.7インチ、iPad miniは7.9インチ、そしてiPhone 5は4インチであり、iPadとiPhone 5では倍以上の違いがある。そのためOSは同じものを採用していながらも、持ち方や使われ方に至るまで、さまざまな点が大きく異なってくる。
第11回でもタブレットアプリを取り上げ、iPhoneとiPadとでランキング上位に入るアプリの傾向が異なっていることを説明した。そこで今回はマーケットの外観やインタフェース面での違いから、ユーザー動向にどのような違いが起きてくるのかを確認していこう。
App Storeは、iPad対応アプリがiPhone版には表示されないという違いはあるものの、登録されているデータ自体に大きな差はない。ではどのような点が異なるのだろうか。最も分かりやすいのが画面デザインと、1画面当たりの情報量である(写真1、写真2)。
上に示した双方のApp Storeのトップ画面を見比べれば理解できると思うが、iPhone版のApp Storeと比べ、iPad版のApp Storeは「スタッフのおすすめ」「今週のApp」などを表示する画面上部のデザインが大きく異なっており、広い画面を生かしたレイアウトとなっている。目に入る情報量もiPad版の方が多く、iPhoneよりもユーザーがアプリの選択をしやすい環境であることが理解できる。
一方、大まかな構成は双方で共通している。iPadとiPhoneで、おすすめアプリなどの違いはあるものの、画面上部におすすめアプリなどが大きな画像で表示され、その下に注目作品などが並ぶ構成は、iPhone、iPad共に共通している。この辺りは、デバイスが変わってもApp Storeを同じ感覚で扱えるという安心感をユーザーに与えているといえるだろう。