Twitterを活用して適切なタイミングを探っているのがニッセンとチューリッヒ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド、日本旅行だ。

Twitter、サイト履歴を活用

 昨日の記事の冒頭で紹介した話は、通信販売大手のニッセンがTwitter上で取り組んでいる顧客応対の一コマである。ニッセンがTwitterで自社に関する投稿を探して、顧客に対してメッセージを送ったのだ。ニッセンは冊子やWebサイトのカタログなどが販路となる。従来、顧客との主な接点はコールセンターなど問い合わせ窓口だった。「投稿に対してコメントを返すと大抵驚かれる。まだ取り組む企業が少ないからこそ意味がある」(柿丸セクションマネージャー)。

図2●ニッセンが構築した声を掛けるタイミングを図るためのシステム
図2●ニッセンが構築した声を掛けるタイミングを図るためのシステム
顧客が困っているかどうかをTwitterのつぶやきを分析することで察知
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 ニッセンは4月にソーシャルメディア上で顧客とやり取りするためにシステムを導入した(図2)。TwitterやFacebook上のやり取りを蓄積・管理できる仕組みを備える。

 導入したのはプラスアルファ・コンサルティングが提供する「カスタマーリングス」。自社関連の投稿を収集して分析できる。ニッセンではTwitter上に投稿された月間1万5000件の自社に関する投稿を蓄積している。蓄積した情報をテキストマイニングを活用して解析する。解析結果を「感謝」「お叱り」「お困り」など6種類に分類する。Twitterの投稿者が何人にフォローされているのかといった情報の伝播力も分かる。

 投稿の中から、機械が自動的に繰り返したつぶやきなどを取り除いた約1000件について担当者が応対する。

 システム上では、投稿した顧客の前後のコメントも確認できる。顧客がどう考えて投稿したのかが推測できる。オペレーターはこれらの情報を確認したうえで「商品を気に入った」といった褒められた件には謝意を示し、「配送が遅い」といった不満には詫びるといったコメントを返す。「何色を買おうか迷い中」といったタイミングを逃さず応対することで購買意欲を高める。「うまく声を掛ければ購入にも結び付くのではないかと手応えを感じている」(柿丸セクションマネージャー)。

 全ての投稿に応対するのではなく、コミュニケーションが必要な投稿に絞っている。良い反応でも悪い反応でもTwitter上で感情を示しているときに適切な応対でニッセンのイメージアップにつなげることを目指す。