サーバー仮想化技術を中心に、仮想化インフラを構築するための技術や製品を解説した本である。技術そのものよりも、ベンダーの具体的な製品の紹介に重きを置いた作りになっている。

 この本の良いところは、仮想化インフラに関わる最新の製品動向を一望できる点だ。取り上げられている主なベンダーを登場順に挙げると、米ヴイエムウェア、米シトリックス・システムズ、米マイクロソフト、日立製作所、NEC、富士通、米シスコシステムズ、米ブロケード コミュニケーションズ システムズ、米インテル、米AMDである。

 少々残念な点は、この手の本で共通していることだが、ベンダー資料をそのまま掲載した図版が多く見られる点。せっかく書籍としてベンダー横断的にまとめるのだから、著者側でしっかりと消化して、同じ目線でアーキテクチャーや考え方を比較できるようにしてもらえるとありがたい。

仮想化インフラを構築する技術

仮想化インフラを構築する技術
渡邉利和/川添貴生著
インプレスジャパン発行
2100円(税込)