Q:上司の異動で自分の身の処し方に悩んでいます

 私は大手SI企業のSEとして入社し、たまたま東大出ということもあってすぐに企画部に配属され、現場よりはむしろ資料作りや社内調整などの内部的な仕事の片腕的な存在として、当時課長だったA氏に重宝されてきました。A氏の異動とともに私も異動し、その出世とともに私も昇進して現在担当課長の肩書をいただいております。上司のA氏は現在事業部長です。

 ところがA氏は早期定年退職の年代となったので、子会社へ役員での異動を会社から勧められています。多分次の人事異動ではB氏が後任となって事業部長に就任するともっぱらの噂です。

 社内では私のことを「現場を知らないA氏の腰巾着」と思っている人々が多く、当然B氏もそれを知っています。A氏と私は、B氏と特に仲が悪いわけではありませんが、A氏がいなくなれば針のむしろとなるのは目に見えています。

 しかし、大企業の本体で育った私にとって、A氏について子会社に異動することには大きな抵抗感を感じます。子会社に異動すれば本社に戻ってくるのはほとんど不可能ですし、A氏も強く勧めてはいません。思い切って、どこかに転職することも考えてはいますが、なかなか勇気が湧いてきません。

 こんな時、私はどうしたらよいのでしょうか。

(年齢:40代前半、男、システムエンジニア)

A:「A氏がいなければ何もできない」という評価を覆しましょう

 信頼してついてきた上司が異動、大企業ではよくあることですね。結論から言えば、あなたは社内に残るべきです。この結論に至った理由を説明しましょう。

 まず、あなたの現状を整理すると図1のようになります。

図1●あなたの現状
図1●あなたの現状
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若い頃から信頼関係を築いて共に異動し昇進してきたA氏が子会社の役員で異動してしまう。A氏にとっては片腕でも周囲から見れば「現場を知らない腰巾着」に見られていて、新事業部長候補のB氏とは仲が悪いわけではないが、周囲と同様に腰巾着と思われている。事業部に残ると針のむしろになりそうだし、かと言ってA氏と共に子会社に行くのも抵抗を覚える。ましてや転職するほどの勇気はない。