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 Windows 8は、2つの環境を併せ持ったハイブリッドOSだ。ひとつは旧来のデスクトップで、もうひとつは、新しいWindows 8 UIである。デスクトップでは今までのアプリが基本的にそのまま使えるが、新しいWindows 8 UIのアプリは専用に用意する必要がある。また、Windows 8 UIアプリはストアでの入手となり、ストアの利用にはMicrosoftアカウントが必要になる。

 こうした状況を見ると、企業がWindows 8を導入する意味があるんだろうかと思うかもしれない。ただ、Windows 8の新しいUIは、特定業務アプリなどの環境として魅力的でもある。タブレットなどでタッチ操作で特定業務がこなせ、さらに、それをWindowsならではの機能で集中的に管理できたら便利そうだ。そう考えるのは当たり前だが、ストアで社内向けのアプリを配布するとうのは非現実的で八方ふさがりに思える。

企業のカスタムWindows 8アプリもインストールできる

 だが、安心していい。特定の企業内でのみ使う新しいWindows 8アプリは、LOB、つまり、カスタムアプリとしてエンタープライズサイドローディングでインストールすることができる。これは、Windows 8 Enterpriseが稼働し、ドメインに参加しているPCのみ利用可能で、そうでないWindows 8機は追加のプロダクトキーをインストールすることになる。また、配布プラットフォームとしては、System Center 2012 Configuration ManqagerやWindows Intuneを使うことができる。

 こうすることで、ストアで配布されるアプリは入れられないが、企業が専用に開発した信頼できるアプリのみが使えるWindows 8環境が手に入る。企業アプリにおいても、タッチ操作を活かしたUIで業務を進めることができる道がちゃんと用意されているというわけだ。

山田 祥平(やまだ しょうへい)
フリーランスライター
1980年代、NEC PC-9800シリーズ全盛のころからパーソナルコンピューティング関連について積極的に各紙誌に寄稿。Twitterアカウントは @syohei