音声品質測定方法と測定結果

 前回と異なり今回は図2の測定環境を用い、各アプリケーションに対してそれぞれ10回測定を実施し、中央値(中央の値2つの平均値)を求めていきます。なお、測定に用いる端末側の通信環境は外部からの影響を比較的受けにくい無線LAN(IEEE802.11n)を経由してインターネットに接続しています。

 また、インターネットへの接続は光回線を使用していますが、光回線はMDFまでの共同利用タイプを使用しています。音声品質測定前にスループットを計測したところ、

  • 発側端末(Galaxy S):リンクスピード26Mbps、下り18.68Mbps、上り17.10Mbps
  • 着側端末(Galaxy S3):リンクスピード72Mbps、下り18.89Mbps、上り33.09Mbps

となっていたので、回線は問題ないと言えるでしょう。

図2●今回の音質評価のための測定環境
図2●今回の音質評価のための測定環境
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 音声品質測定を実施した結果は表1となりました。また、平均値と中央値は表2となりました。

表1●音声品質の測定結果
測定
回数
Skype LINE comm
R値 MOS値 R値 MOS値 R値 MOS値
1 80 4.05 70 3.60 52 2.71
2 82 4.09 72 3.72 52 2.69
3 83 4.14 72 3.71 45 2.32
4 81 4.09 74 3.81 53 2.73
5 81 4.07 75 3.83 51 2.67
6 80 4.03 74 3.80 36 1.91
7 79 3.98 71 3.67 44 2.29
8 80 4.04 75 3.89 52 2.72
9 81 4.07 71 3.65 51 2.67
10 79 4.01 73 3.75 53 2.73
表2●平均値と中央値
測定
回数
Skype LINE comm
R値 MOS値 R値 MOS値 R値 MOS値
平均値 80.6 4.057 72.7 3.743 48.9 2.544
中央値 80.5 4.06 72.5 3.735 51.5 2.68

 R値は高い方が音質は高いと評価されます。今回の環境で測定した場合、R値が高い順にSkype、LINE、commとなりました。SkypeはSkypeオンライン番号という050番号を使える有料サービスを提供していたり、以前から独自コーデック(SILK)を開発していたりしています。そうした成果が表れているのかもしれません。