LINEの解析-無料通話
次にLINEの無料通話実行時のシーケンスを見ると、図3のようになっていました。
接続先の一覧は表3の通りです。
No. | 接続先 | サーバーの用途(推測) |
---|---|---|
1 | LINE04 | SIPサーバー |
今回Android端末側でパケットを取得するために第1回で紹介したように「tPacketCapture」を使用しています。tPacketCaptureを停止した状態では無料通話ができましたが、起動中は無料通話相手からの応答が来ない状態となってしまい、無料通話自体はできませんでした。
tPacketCaptureを起動している状態だとSIPのINVITEに設定されている自端末のIPアドレスが、相手側から到達不可能なIPアドレスになってしまうからだと考えられます。INVITEに設定されているIPアドレスがVPN実行時のIPアドレスになっているためです。このことを考慮すると、LINEの無料通話の音声データは、セッション確立後、相手と直接送受信する(ピア・ツー・ピア)と判断できます。
SIPのINVITEに含まれているSDP(Session Description Protocol)を確認すると、音声データの送受信にSecure RTP(SRTP)を使用する設定となっています。そのためLINEの無料通話の秘匿性は高いと言えます。また、使用可能なコーデック種別としてAMR-WB/16000、G.723.1a-L(AMR)、G.723.1a-H(AMR)が設定されていることが確認できました。