静岡県は2012年4月、災害の発生時に被害状況を集約・共有する「総合防災情報システム」を全面的に刷新した。パブリッククラウド環境に構築したのが特徴だ。
米セールスフォース・ドットコムのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「Force.com」と、米グーグルのクラウド型GIS(地理情報システム)「Google Earth Enterprise Server」を利用している(図1)。クラウドで総合防災情報システムを構築した都道府県は静岡県が初めてという。
県庁職員は新システムを使って、被害状況に加えて避難所や救護病院、道路などの情報を地図とともに確認できる。被災現場から携帯電話やスマートフォンで情報を確認したり、写真付きで報告したりすることも可能だ。
パブリッククラウドなので、インターネット接続さえ確保できればシステムを利用できる。静岡県は光回線、無線通信、衛星通信という三つの手段でネットワークを冗長化している。
新システムの稼働に伴い、大手ベンダーに依頼し、構築に10億円以上を投じたオンプレミス(サーバー設置型)の前システムは廃棄した。