アプリマーケットではさまざまな種類のアプリが配信されているが、実際人気となっているアプリの種類はどのようなジャンルのものなのか。ゲームアプリが人気や注目を集める傾向は強いが、他のジャンルと比べどれくらい人気があるのだろうか。そうした細かな状況は、なかなか把握しづらく実態をつかんでいる開発者は多いとは言えないだろう。

 そこで今回は、アプリマーケット内にあるさまざまなランキングの上位100アプリをピックアップし、それらのアプリが登録されている“カテゴリ”を集計。その結果から、各マーケットで現在どのような分野のアプリに人気があるかを調査した。

App Storeで人気のカテゴリ傾向は?

 まずは、App Storeの「トップ有料」「トップ無料」の人気カテゴリ傾向を確認し、比較してみよう。双方の上位100アプリのカテゴリをピックアップし、その数を集計したものが表1である。

表1●App Storeでランキング上位100アプリのカテゴリを抽出したランキング(2012年11月6日時点)
App Store トップ無料
順位 カテゴリ アプリ数
1 ゲーム 30
2 エンターテインメント 13
3 ソーシャルネットワーキング 10
4 写真/ビデオ 8
5 ナビゲーション 6
6 ユーティリティー 5
7 辞書/辞典/その他 4
7 仕事効率化 4
7 ミュージック 4
10 ブック 3
10 フード/ドリンク 3
10 旅行 3
13 ライフスタイル 2
13 ニュース 2
15 教育 1
15 カタログ 1
15 ヘルスケア/フィットネス 1
App Store トップ有料
順位 カテゴリ アプリ数
1 ゲーム 27
2 写真/ビデオ 15
3 ブック 14
4 ユーティリティー 9
5 エンターテインメント 5
5 仕事効率化 5
5 ヘルスケア/フィットネス 5
5 ミュージック 5
9 教育 4
10 ライフスタイル 3
10 ナビゲーション 3
12 ファイナンス 2
12 ビジネス 2
14 辞書/辞典/その他 1
写真1●撮影した写真を漫画風に加工できる「漫画カメラ」
写真1●撮影した写真を漫画風に加工できる「漫画カメラ」
カメラ関連のアプリは人気が高い。
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 これを見ると、双方共にトップは“ゲーム”のカテゴリである。やはりゲームアプリの人気が高く、多数ダウンロードされていることが分かる。それ以外のカテゴリでは、トップ無料では4位、トップ有料では2位に「写真/ビデオ」カテゴリが共通して上位にランクインしている。最近メディアに取り上げられて話題になった「漫画カメラ」(写真1)をはじめとして、カメラ関連のアプリも高い人気を得ていることが分かる。

 他のカテゴリに関しては、双方のランキングで大きく特徴が分かれている。トップ無料で特徴的なのは、3位に“ソーシャルネットワーキング”のカテゴリがランクインしていること。このカテゴリには、LINEやFacebookなどコミュニケーションを主体とするアプリが揃っている。こうしたアプリはユーザー数の多さが人気に大きく影響してくることから、基本的には無料で提供され、会員を獲得し、広告、あるいはアプリ内課金といった何らかの形で収益を上げるケースが多い。

 一方のトップ有料では、やはり3位にランクインしている「ブック」カテゴリが特徴的な存在といえる。App Storeでは単体の書籍をアプリ化し、1本単位で値付けして販売しているケースも多いが、これだけの順位を獲得しているということは、そうした書籍アプリの中から人気タイトルがいくつか生まれていることを物語っているといえるだろう。