050 plusの販売チャネル拡大でNTTコムが攻勢、MNPの広がりが好機に

2012/11/08
滝沢 泰盛=日経ニューメディア (筆者執筆記事一覧
出典:日経ニューメディア 2012年10月1日号14ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 NTTコミュニケーションズは、050で始まる電話番号が使えるIP電話アプリ「050 plus」の販売チャネルの拡大に着手した。これまでは「ユーザーのクチコミや、マスコミに取り上げられた記事などの露出を中心に、ダウンロード数を約90万件まで伸ばしてきた」(NTTコム)。これに加えて、今夏から量販店や携帯電話販売店などの店頭で、スマートフォンを購入したユーザーに対して加入を勧める直接販売を開始した。9月18日には昨年実施した人気タレントのEXILEを起用したテレビコマーシャルの放送を再開し、最大9万2052円の現金が当たるプロモーションキャンペーンを展開する。こうした施策で、より一層のユーザー数拡大に注力している。

iPhone5でMNP利用拡大、無料通話ニーズが増加

 050 plusはiPhoneやAndroid端末用に無償で配布しているIP電話アプリで、月額315円を支払えば「050」で始まる電話番号を使って発信と着信が可能になる。通話料は050 plusをインストールしたスマートフォン同 士であれば無料で、固定電話でもNTTコムのOCNドットフォンなどNTTコミュニケーションズが提携する050 IP電話との間なら無料となる。「友達同士や家族同士といった個人ユーザーの利用のほか、電話番号があるので企業などでもオフィスと出先の社員間で内線電話のように使うといった用途でユーザーを広げてきた」。

 ここにきて同社が050 plusのさらなる販売拡大に乗り出す背景には「携帯電話ユーザーのMNP(携帯電話番号ポータビリティ)を使って契約事業者を変更するユーザーが増えてきていることが一因だ」という。

 定額料金を支払って通話料を無料にするプランは、携帯電話事業者の通話サービスでも「同一事業者同士」といった条件付きで提供されている。例えばKDDIが取り扱いを開始する前は、iPhoneユーザー同士であれば、ソフトバンクモバイル内の通話定額プランが利用できていた。

 ところがKDDIがiPhoneを販売したことをきっかけに、「友達同士、家族同士で同じ事業者に加入していたグループの中でMNPを利用して他社に移行し、無料通話の対象ではなくなってしまうことが増えている」(NTTコム)という。特に9月21日から販売が始まったiPhone5の場合、LTEのエリアカバーやテザリングの開始時期、通信量制限などの条件で、ソフトバンクモバイルとKDDIが提供するサービスの差が多い。「MNPで別の事業者に移転して、親しい友人や家族内でも無料通話の対象から外れてしまうケースは今後さらに増えていくのではないか」とNTTコムは予想している。そこで、「050 plusを使えば、通信事業者や使っている端末に関係なくユーザー同士は通話無料になるという利点をより打ち出しやすくなる」と見ている。

 050 plusは当初は、「起動したままにしていると電池消費が多い」「無線LAN環境で使えば快適だが3G回線では上り速度が遅くなる分、通話がしにくくなる」といった課題がユーザーから寄せられていた。

 これらの課題については「7月に実施したバージョンアップで電池消費率は2倍に効率化した。通話品質も、音声コーデックの見直しで日々向上する努力を続けている」としている。9月21日には、通話相手にスマートフォンで撮影した写真を相手に送信できる「フォトトーク」機能を追加した新バージョンの配布を開始した。「今後は通話料のお得さだけでなく、音声以外のコミュニケーションツールとしても可能性を広げたい」と意気込む。

LTE対応端末での通話品質の向上に課題

 ただし、通話品質について解決すべき課題が無くなったわけではない。「LTE対応端末で利用した場合に、1秒ほど通話とぎれが発生する場合がある」という。

 LTEのエリア内であれば、3G回線よりも通信速度が高くなるため「音質の劣化や遅延を感じずに利用できる」とプラスに働く面もあるという。しかし、移動中に使った場合に、「LTEのエリアがまだ限られているため3G通信に切り替わることがある。この時に通話が途切れるといった声が寄せられている」。こうした問題に対し、同社は「通話中継サーバーのバッファー時間を調整するなどのノウハウで、不自然さを解消する努力をしている」が、根本的な解決は「移動通信事業者がLTEエリアを拡充していくことに頼らざるを得ない」という。iPhone5は、LTEに対応することも特徴の一つである。MNPのきっかけとなって050 plusのユーザー拡大につながるか、逆にLTEと3Gの切り替えが頻発してユーザーの厳しい評価を受けるか、評価の分かれ目になりそうだ。

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