ビジネスブレイン太田昭和
会計システム研究所 所長
中澤 進
前回(IFRS導入の可否を決めなかった米国(上))と今回で、米SEC(証券取引委員会)のスタッフが2012年7月13日に公表した「米国企業の財務報告制度にIFRS(国際会計基準)を取り込むことについて検討するためのワークプラン」最終報告を取り上げている。
前回はSECワークプランプロジェクトの活動経緯を中心に説明した。今回は最終報告書の概要と、報告書に対する反応を中心に見ていく。
最終報告書の概要
全127ページの最終報告書は、以下の七つの章で構成されている。
- エグゼクティブサマリー
- 米国内の報告制度としての開発・適用の十分さ
- 投資家のための基準設定の独立性
- IFRSに関する投資家の理解と教育
- 規制環境
- 発行企業への影響
- 人材の準備状況
報告書の趣旨は、エグゼクティブサマリーの「スタッフ作業の焦点」と「発見事項の要約」から読み取ることができる。