日本テレビは2012年10月16日と17日の2日間、同社の技術展示会「デジテク2012」を開催した。日本テレビ放送網では、放送通信融合型ソーシャル視聴サービス「JoinTV」やテレビ番組の盛り上がりがわかる全局横断型ソーシャルテレビアプリ「wiz tv」を提供するなど、放送とソーシャルメディアとを連携した新サービスを積極的に展開し始めている。今回は、同社の技術展示会「デジテク2012」を通して、日本テレビが進めている放送・通信連携サービスの取組をレポートする。

 日本テレビが開催した技術展示会「デジテク2012」の放送・ネットの新サービスコーナーでは、データ放送の紹介と放送通信融合型ソーシャル視聴サービス「JoinTV」、全局横断型ソーシャルテレビアプリ「wiz tv」、放送と連携したデジタルサイネージなどを出展した。

JoinTV、タブレットやスマフォにも対応

写真1●「JoinTV」への登録画面
写真1●「JoinTV」への登録画面
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写真2●「JoinTV」対応番組の画面
写真2●「JoinTV」対応番組の画面
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 JoinTVは、日本テレビが2012年3月に実証実験として開始、6月には全国ネット放送番組で実施するなど本格的なサービスとしてスタートしている。この日本テレビが提供するJoinTVは、データ放送とソーシャルメディアのFacebookと連携し、番組視聴中にテレビ画面上でFacebook内の知人とコミュニケーションしたり、Facebookを通してプレゼントに応募したりすることができる。なお、現状ワンセグには対応していない。

 JoinTVに参加するには、予めFacebookと連携させる必要がある。日本テレビ系列のチャンネルでリモコンの「d」ボタンを押してデータ放送画面を表示する。JoinTV画面から登録画面へ進み、10桁の認証コードを表示する。この10桁の認証コードを表示したまま、スマートフォンからはQRコードを使い、またPCサイトからJoinTVサイトへ行き、10桁の認証コードを入力して認証ボタンをクリックし登録を完了させる。また、Facebook上でJoinTVアプリを追加し、10桁の認証コードを入力することで、データ放送とFacebookが連動可能となる(写真1写真2)。

 投降したメッセージや「いいね!」ボタンなどの情報のデータ放送画面への表示は、Facebookが提供するWeb-API「Graph API」をデータ放送側で利用し、BMLブラウザーの双方向通信機能を利用してデータを取得し、表示しているという説明だった。

 現状では、デジタルテレビをインターネットへつなく必要があるが、「ユーザーがデジタルテレビをインターネットへ接続してもらうには敷居がまだ高い。これはどの放送事業者も同じ悩みを抱えていると思う」(説明員)という。そこで、日本テレビでは、「セカンドスクリーンとして、タブレット端末やスマートフォンから参加できるようにする予定。また現状はFacebookとの連携のみだが、Twitterも可能にする予定」という。さらに、JoinTV対応番組についても、「スポーツ中継などでも実施したい」と担当者は説明した。