日本のデータセンター(DC)は首都圏に一極集中している。富士キメラ総研でDC市場を担当する第二研究開発部門の羽賀史人氏は「国内DCの70%が首都圏に立地する」と分析する。前々回でも紹介したように、巨大な新施設の開業も相次ぐ。

 一方で見逃せない新たな動きがある。首都圏以外の地方都市でも巨大施設の開業が続いているのだ(図1)。ユーザー企業にとっては、情報システムのDR(ディザスタリカバリー)などが、ますます容易になりそうだ。

図1●台頭する地方データセンター
首都圏以外の地域でも、5000平方メートルを越える施設の開業が相次いでいる
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北海道、四国、沖縄にも

 IDCフロンティアは2012年10月、福島県白河市に「白河DC」を開業した。600ラックを格納できるDC棟が1棟あり、最大6棟が建設可能。2013年9月末までに2号棟を追加する。2012年4月には日本ユニシスが福井県小浜市に「小浜DC」を開業した。200ラックを格納できるDC棟が1棟あり、最大5棟まで拡張できる。

 2011年11月には、さくらインターネットが北海道石狩市に「石狩DC」を開業している。500ラックを格納できるDC棟が2棟あり、現在、3号棟と4号棟の建設を検討している。2011年にはほかにも、北陸電力とインテックが共同出資するパワー・アンド・ITが延べ床面積6300平方メートルの施設を富山市に開業したほか、関西電力子会社の関電システムソリューションズが大阪市にサーバールーム面積が4100平方メートルの施設を開業した。