平松雅巳氏は、Linuxシステムの障害解析機構の開発に携わってきたカーネル開発者だ。その活動が評価され日本OSS貢献者賞も受賞している。コミュニティー活動と仕事の関係、カーネル開発者、そしてメンテナーになるために大事なことなどについて聞いた。

(聞き手は高橋 信頼=ITpro


平松 雅巳氏

 カーネルが動いている時にどんな振る舞いをしているかを調べる機能「kprobes」のメンテナーをしています。kprobesがカーネルに取り込まれたのが2008年で、それ以来ですね。

コミュニティーと仕事の関係は。

 研究所ですので、研究者としての仕事、開発者としての仕事の両方があり、それぞれ補完関係があります。

 OSSコミュニティーの活動って学会活動に似ているんですよ。OSSではカンファレンスがよく開かれますが、それは学会に似ていると思います。カンファレンスのチェアマンを務めることは、先端の開発者が何を考えているのかというアンテナになりますし、逆にこちらから開発の方向性に働きかけることもできます。