クラウド・マネジメント・システムにビッグデータ、ユニファイドコミュニケーション(UC)、ストレージ、スマートシティー向けソリューション、テレプレゼンス---。このようなソリューションのラインアップを見ると、NECや富士通、日立製作所といった日本のITベンダーのソリューション群を思い浮かべるかもしれない。

 実はこれらはすべて中国ファーウェイ(華為技術)が持つエンタープライズ分野のポートフォリオだ。

 これまでファーウェイと言えば、通信事業者向けのインフラ分野や、モバイルルーターなどの端末分野のベンダーとしての印象が強かった。しかしここにきて、同社は次なる成長のためにエンタープライズ分野に本腰を入れ始めているのだ。

 ファーウェイは、2015年までにエンタープライズ・ソリューション・プロバイダーのトップグループに入ることを目標に掲げている。日本でも2012年に入って、法人事業本部を立ち上げた。

 これまでのファーウェイの競合と言えば、通信インフラの分野でスウェーデンのエリクソン、仏アルカテル・ルーセント、端末分野で韓国サムスン電子、中国ZTEなどだった。将来的にはエンタープライズ分野で、NECや富士通、日立製作所といった日本ベンダー、さらに米シスコや米HPといった海外ベンダーとの競争が激しくなる可能性がある。

同社の本気度を感じさせる幅広いエンタープライズ製品群

 中国深セン市のファーウェイ本社キャンパス内の一角には、同社の製品群を紹介する展示スペースがある。その中の一つに、ホール全体をまるまるエンタープライズ分野の製品群で占めている部屋がある(写真1)。

 この部屋に足を踏み入れた記者は、思わずため息が出てしまった。ファーウェイが、予想以上に幅広いエンタープライズ分野の製品ポートフォリオをそろえていたからである。

写真1●エンタープライズ分野のショールーム
写真1●エンタープライズ分野のショールーム
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