カシオ計算機の法人向け10.1インチAndroidタブレット「V-N500/T500」(写真1)は、日経BPが主催する「ITpro EXPO AWARD 2012」(関連記事)で「ITmedia エンタープライズ賞」を受賞した。ITpro EXPO 2012会場では、発売直前の同製品を6小間分の広いブース(写真2)全体に展開し、大きな注目を集めた(関連記事)。

写真1●カシオ計算機の法人向け10.1インチAndroidタブレット「Paper Writer V-N500-J」(左)と「V-T500-J」(撮影:中村宏)
写真1●カシオ計算機の法人向け10.1インチAndroidタブレット「Paper Writer V-N500-J」(左)と「V-T500-J」
(撮影:中村宏)
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 一般消費者向けのイメージが強いAndroidタブレットだが、カシオ計算機が11月中に発売するV-N500/T500の4機種は法人向けに特化したモデル。まさに「エンタープライズ」の名にふさわしい製品になっている。

カシオが培った業務用端末のノウハウを結集

写真2●多くの人でにぎわうITpro EXPO 2012展示会場のカシオ計算機ブース(撮影:中村宏)
写真2●多くの人でにぎわうITpro EXPO 2012展示会場のカシオ計算機ブース
(撮影:中村宏)
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 価格はオープンプライスだが、参考価格は最も安価な「V-T500-J」で10万円弱。最上位の「Paper Writer V-N500-WJ」(Xi=NTTドコモ高速通信機能内蔵モデル)で21万円弱。個人でも手が出せそうな価格だが、小売りは一切しない方針。受注生産が原則で、システム構築業者などを通じて、法人向けのシステム構築とセットで販売する。

 Android 4.0を搭載してはいるものの、標準ではGoogle playに非対応で、一般消費者向けAndroidタブレットとは一線を画している。業務端末用OSとしてカスタマイズや業務用アプリ開発が容易なAndroidを採用していると見たほうが適切だろう。

 カシオ計算機は、スマートフォンなど一般消費者向けモバイル機器事業を、別会社のNECカシオモバイルコミュニケーションズへと移管済み。カシオ本体の「システム戦略部」は、法人向け製品に特化している。

 カシオにとって、新製品のV-N500/T500はAndroidタブレット製品としては初めてだが、これまでにキャッシュレジスター製品でAndroid OSを採用した実績がある。それ以外にも、業務用ハンディ端末などで培ってきたノウハウをV-N500/T500につぎ込んでいる。