Windows 8にログオンする際のローカルアカウントやドメインアカウントは、Microsoftアカウントに関連付けし、ローカルユーザー名としてそのアカウントを使うことが推奨される。これによって、パスワードを設定した状態でWindowsを使うユーザーが増えるのはいいことだと思う。Microsoftアカウントは、Windows LiveサービスやHotmailのアカウントとして使われてきたものだ。
MicrosoftアカウントでWindowsにログオンすることによって、そのアカウントに関連付けられた複数台のPCのWindows環境が同期されるようになる。配色などの設定も任意のPCで設定すれば、他のPCにも設定が同期する。これはこれで便利だ。
Microsoftアカウントと関連付けないとストアが利用できない
ただ、企業内で使われるPCの多くは、Windows Serverのもと、Active Directoryで構成されたドメインに参加している。この場合、PCのローカルアカウントやMicrosoftアカウントではなく、ドメインユーザーとしてWindowsにログオンする必要がある。もちろん、あとでドメインユーザーアカウントとMicrosoftアカウントを関連付けすることはできる。あとで関連付けた場合は、Microsoftアカウント名ではなく、ドメインユーザーアカウント名でログオンすることができる。
ちなみに、Microsoftアカウントがなければ、ストアを利用することはできない。ストアは、かつてMetroと呼ばれたモダンUI用のアプリを配布するマーケットだ。
もちろん、企業内で使われるPCでのドメインユーザーアカウントを、個別のMicrosoftアカウントに関連付けることを、セキュリティの面で好ましくないと考える管理者もいるはずだ。それを禁止することで、ストアは使えないし、その結果、ストアでの配布しか許されないモダンUIのアプリも使えない。これは安心は安心なのだが、どうなんだろうとも思う。ただし、ストアはWindowsにログオンしているユーザーとしてではなく、別のアカウントでサインインすることもできる。それさえ禁止してしまったら、何のためのWindows 8かなとも思う。
フリーランスライター