米グーグルで「Google+」を開発し、現在は米フェイスブックに所属する著者が、ウェブ上の社会行動についての様々な研究結果をまとめて解説するのが本著。

 著者は「ソーシャルウェブ上に極端な影響力を持つインフルエンサーが存在し、情報を拡散させるという考えは誤り」と言い切る。信頼関係で結ばれた4~6人のグループで情報が共有され、そのメンバーが所属する別のグループに伝播していくメカニズムがあり、それは実生活と変わらないという。

 ウェブ上の社会も信頼関係が最も重要であり、「企業がソーシャルメディアで多数のユーザーに情報を大量発信するのはかえって逆効果」という指摘は興味深い。

ウェブはグループで進化する

ウェブはグループで進化する
ポール・アダムス著
小林 啓倫訳
日経BP社発行
1680円(税込)