テクニカルアドバイザーの大月英照です。5年先を生き抜くITエンジニアになるための情報をお伝えしている連載も第4回になりました。

 第4回は「資格」について話したいと思います。ITエンジニアにとっての資格は、ベンダー資格、国家資格、アプリケーションの資格と大きく3つに分かれます。ここに加え最近は語学力についても関心が高まっているようです。

 今回は資格の説明ではなく、普段私が最も多く受ける質問の「こういう資格は取得する意味ありますか?」という観点で、資格についての情報を解説していきます。その他にも注目の資格や、今後取得しておくと良いと思われることなどについて、お伝えしていきます。

インフラ系資格

 まず1つ目はインフラ系の資格について。インフラ系の資格はベンダー資格が中心になります。米マイクロソフト社のMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)やMCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)、米シスコシステムズのCCNA(Cisco Certified Network Associate)、CCNAの上位資格であるCCNP(Cisco Certified Network Professional)、データベース大手である米オラクル社のOracleマスター、LPIC(Linux技術者認定試験)などがあります。

 これらのベンダー資格を取得することはもちろん意味がありますが、自分の市場価値を高めるという視点で見ると条件があります。それは「普段の業務でその技術を使用していること」です。

 なぜなら、資格の本来の役割は、その技術を実際の業務でどれだけ使えるかの証しになるということだからです。そのため、エンジニアとしてのキャリアを証明する、今の仕事とつながる資格を取得することが大事だと思います。転職を希望される方々にお会いして、ここがうまくつながっていないケースが少なくありません。

 ベンダー資格でもう1つ大事なことは、取得し続けることが重要だということです。ITエンジニアにとっての技術は、常に進化するもの。5年前にはなかったHTML5が登場したり、オラクルのバージョンが数年で何回も変更されたりと、数年前はなかった新しい技術が登場することも頻繁に起こります。

 そのため、「一度取得したから安心」ではなく、期限ごとに更新することが大事です。そして更新ごとに、しっかりと技術を前進させていることが、キャリアに生きてきます。