米グーグルが低価格の7インチタブレット「Nexus 7」を国内投入したのに加え、米アップルが従来より小型のiPad“iPad mini”を近く投入するのではないかという噂が飛び交うなど、ここ最近タブレットに対する注目が高まっている。

 タブレットの市場が拡大すると同時に広がると考えられるのが、タブレット専用、あるいはタブレットに最適化されたアプリの市場規模拡大だ。そこで今回は、スマートフォンとタブレット、双方のアプリランキング動向の違いを見比べ、スマートフォンと人気アプリ傾向がどう違っているのかを把握しておこう。

スマートフォンとタブレットの違いがアプリに与える影響

 スマートフォンとタブレット、両者は機能・性能面では非常に似通っているが、決定的に違っている要素がいくつかある。その1つが画面サイズだ。スマートフォンは可搬性を重視し、画面サイズが4~5インチ程度までとなっているのに対し、タブレットはそれより大きく、7~10インチのものが主流となっている。

 またスマートフォンには必ず携帯電話回線が入っており、通話や通信がいつでもできるのに対し、タブレットには無線LANのみ搭載したモデルも存在しており、むしろこちらの方が主流となっている。しかも無線LANのみ搭載のモデルは通信できる環境が限られているため、主として家庭やオフィスなどで利用されるケースが多いと考えられている。

写真1●iPad版の「App Store」
写真1●iPad版の「App Store」
タブレット向けのお勧めアプリが紹介されるなど、iPhone向けと比べいくつかの違いが見られる。
[画像のクリックで拡大表示]

 こうしたことから、スマートフォンとタブレット、双方を利用する人や利用シーンは大きく異なる。それゆえスマートフォンとタブレットでは、適したアプリや人気アプリの傾向も変わると考えられる。実際、App Storeでは、お勧めのアプリがiPadとiPhoneで異なる(写真1)。

 まずはスマートフォンとタブレットの代表として米アップルの「iPhone」と「iPad」を取り上げ、双方のアプリマーケットである「App Store」上で、それぞれの人気アプリ傾向がどう異なっているのかを見比べてみよう。