仮想化ソフト/インフラについて、ある程度予備知識を持つ人向けの本。全くの入門者は、別の入門書を読んでから手に取るほうがよいだろう。

 本書は5章立ての構成になっている。1~3章で、仮想化ソフト/インフラの「基礎知識」「最新動向」「運用管理」を解説。4章で「仮想化環境のハードウェア基盤」を説明したうえで、5章の「デスクトップ仮想化」と続く。

 全編を通し様々な企業/製品が登場する。仮想化インフラでは米ヴイエムウェアや米シトリックス システムズ、米マイクロソフト(Hyper-V)を取り上げ、運用管理で日立製作所(JP1)、NEC(WebSAM)、富士通(Systemwalker)、マイクロソフト(System Center)などを紹介。ハード基盤では米ブロケード コミュニケーションズ システムズ、米シスコシステムズ、米EMC、富士通などが出てくる。ただし機能別製品一覧などがないので、製品の予備知識なしに読み進むのは難しい。白眉はハードウエアに触れた4章。ストレージのほか、米インテルや米AMDのプロセッサーにまで言及しており、多様な仮想化の世界を理解できる。

仮想化インフラを構築する技術

仮想化インフラを構築する技術
渡邉 利和/川添 貴生著
インプレスジャパン発行
2100円(税込)