本連載ではMDM▼を次のように説明している。「スマートデバイス▼を『見える化』して、端末個体の状態を直感的につかんだり、適切な処置を素早く施せたりすることができる管理ツールや管理サービスである」と。でも、そう言われてもイメージが湧かないかもしれない。
そこで今回、実際のMDMの管理コンソール画面やスマートフォン/タブレット端末の画面を追うことで、主な遠隔操作の方法や効果を疑似体験していこう(図1)。具体的には、リモートロック/リモートワイプ、パスワードリセット、アプリケーション配信、メッセージ送信の五つを紹介する。
指示を出して「はい終わり」ではない
「端末をなくした」「パスワードを忘れた」──利用者からのこうした連絡を受け、ヘルプデスク(または管理者)の作業が始まる。依頼を受けた管理者は、まずMDMにログインし、管理コンソール画面で端末の利用者名や電話番号などで検索。該当端末に対してコマンドを実行する(図2(1)の左)。
ただし、コマンドを実行したらそれで終わりというわけではない。実行結果がなかなか返ってこず利用者を待たせてしまうことがある。場合によっては、指示通りうまくいったのかそれとも失敗したのか、結果が不明なまま利用者に回答しなければならない。
実行結果がなかなか返ってこない理由はいくつか考えられるが、端末に確実に指示が通るためには、電源が入っていて、かつネットワークにきちんと接続されている必要がある(同右)。仮に端末がそうした状況下にない場合でも管理者としては、次のアクションに移れないというのは困る。
そこでMDM製品によっては、処理中や処理完了といったステータスを把握できる機能(図2(2))や、一度指示が通らなくても自動でリトライを繰り返す機能を備えている。こうした機能は仕様の一覧表からは読み取れないことが多いので、ベンダーやサービスの担当者に確認したり、トライアルでチェックしたりすることをお勧めする。