2012年10月26日にいよいよ正式発売となる「Windows 8」。2009年10月のWindows 7発売から3年振りとなる新バージョンの登場に合わせて、多種多様なWindows 8対応PCの発売も期待されている。

 これらの最新モデルは単にWindows 8をプリインストールしたPCだけでなく、取り外しできるセパレート型や変形できるコンバーチブル型といった、これまでにないフォームファクタのPCが急激に増加しつつある。

 今回はWindows 8時代の最新PCについて、COMPUTEX TAIPEI 2012やIFA 2012の現地取材で得られた情報をもとに予測してみたい。

Windows 8で急進的に「タッチ対応」する理由

写真1●Modern UIによるWindows 8のスタート画面
写真1●Modern UIによるWindows 8のスタート画面
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 Windows 8がこれまでのWindowsの新バージョンと大きく異なるのは、タッチ操作という新しい入力方法を積極的に採り入れている点だ(写真1)。

 確かに従来のWindows 7でも、タッチ操作に対応したPCは存在した。しかしWindows 7のデスクトップ画面はマウスやキーボードによる操作を主眼に置いてデザインされており、タッチ操作で使いやすいとはいえなかった。たとえばメニュー項目をタッチで選択しようとすると、指の大きさよりメニューが小さいため、誤選択をしてしまうという場面があった。

 これに対してWindows 8では、タイルが並ぶスタート画面や、全画面表示の没入型アプリが印象的な「Modern UI」というユーザーインタフェースが追加された。Modern UIはキーボードやマウスといった従来の入力方式に対応しつつも、タッチ操作を強く意識してデザインされている。実際にModern UIに手で触れてみると、驚くほど直感的に操作できるはずだ。

 Windows 8は、従来通りのデスクトップ画面も搭載する。しかしWindows 8のタスクバーからスタートボタンは削除され、Modern UIのスタート画面がスタートメニューの役割を代替している。Windows 95以降、あらゆる操作の起点となっていたスタートボタンが無くなったことは、Windowsの歴史上重要な変更といってよいだろう。

 Windows 8がここまで急進的にタッチ操作への最適化を進めた背景には、スマートフォンやタブレットの台頭がある。かつてMS-DOSからWindowsへの移行時には、多くのユーザーがマウスを手に取り、ダブルクリックやドラッグといった操作体系を学習した。

 同様に、今日では多くのユーザーがスマートフォンやタブレットで、タップ&ホールド(長押し)やスワイプといったタッチ操作を体験している。だが、そこで使われているOSは、WindowsではなくiOSやAndroidが大半を占めているのが現実だ。

 もしWindows 8によってタッチ対応への「遅れ」を取り戻すことができれば、スマートフォンやタブレットの分野におけるWindowsの存在感を高めることにつながるだろう。同時にそれはPCにも相乗効果をもたらし、PCの活用方法にも大きな変化が起きるはずだ。

 それでは、具体的にPCがどのように変わっていくのかを見ていきたい。