(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
今回の回答者: ヴイエムウェア ストラテジックアライアンス シニアテクニカルアライアンス マネージャ 齋藤 康成 日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部マネージャー 藤本 浩司 |
仮想化ソフトは、OS上でアプリケーションとして動くホスト型と、ハードウエア上で直接動くハイパーバイザー型に分けられます。ホスト型はアプリケーションなので、OSではありません。一方、ハイパーバイザー型は、OSと考えるベンダーもあれば、そうでないとするベンダーもあります。OSの定義が、各社で異なるからです。
ハイパーバイザー型では、仮想化ソフトを構成するハイパーバイザーと呼ぶソフトがハードウエア上で直接動きます。そして、仮想マシンという仮想的なハードウエアを作り出します。ユーザーは仮想マシンにOSをインストールすることで、普通のコンピュータのように使えるようになります。
ヴイエムウェアでは、自社のハイパーバイザー型製品をOSとしてとらえています。ヴイエムウェアは、OSの要件は三つあると考えています。(1)コンピュータのBIOSやデバイスを制御する、(2)ハードウエアとソフトウエアのやりとりを管理するカーネル機能を備える、(3)ユーザーインタフェースを用意している──です。ヴイエムウェアの製品は、この三つを満たしています。
一方、マイクロソフトでは、自社のハイパーバイザー型製品はOSではないという見方をしています。マイクロソフトは、OSはアプリケーションを実行したり、仕事をしたりするための環境を提供するソフトと考えています。仮想化ソフトは、ハードウエアを抽象化するだけで、このようなことはできません。ただ、組み込み機器などで最低限の機能しか提供しないファームウエアなどもOSだと定義するのであれば、仮想化ソフトも広義のOSといえるかもしれません。
なおマイクロソフト製品のハイパーバイザーには、ハードウエアを制御したり、ユーザーインタフェースを提供したりする機能はありません。ハイパーバイザー上で動かすWindows OSがそれらを提供します。