「ソフトウエアエンジニアリング(=ソフトウエア工学)」とは一般に、ソフトウエアの開発や保守に関する理論や手法、プロセスなどを体系化し、実際の開発現場で適用可能なノウハウとして確立する取り組みである。このノウハウを活用することで、より高い生産性で、より良い品質のソフトウエアを開発できるようにする。

 本書は、ソフトウエアエンジニアリングの観点から、ソフトウエア開発のベストプラクティスを解説した一冊だ。米国を中心にした豊富な事例から導き出したもので、ソフトウエア開発にどんなタスクがあるのか、どんな手法や方法論、ツールが用いられているのか、どういう場合にうまくいくのか、といった内容を考察している。定量的なデータを基にした解説は説得力がある。将来ソフトウエア開発が果たすべき改善の方向性を、2049年のソフトウエア開発の姿として論じている点も興味深い。

ソフトウェア工学のベストプラクティス

ソフトウェア工学のベストプラクティス
Capers Jones著
富野 壽/岩尾 俊二監修
構造計画研究所発行
9135円(税込)