米サンフランシスコで開催された米インテル社の開発者向けのイベント「Intel Developer Forum(IDF) 2012」で明らかになった最新情報を紹介する特集。前回の総論に続き、今回からはインテルの主要なCPUシリーズごとにIDF 2012で明らかになった最新情報を紹介する。まずは最大の目玉と言える、次世代のメインストリームプロセッサ「Haswell」から見ていこう。

新しいアーキテクチャに変更されるHaswell

 Haswellは、現在のCoreシリーズ(Core i3/5/7)の第4世代目に相当するプロセッサだ。インテルは、マイクロアーキテクチャ(アーキテクチャの実装)の改良と、プロセスの変更(微細化)を毎年交互に行う「Tick-Tock」戦略と呼ばれるパターンを採用していおり、このHaswellはTockにあたる(写真1)。

写真1●インテルのTick-Tock戦略<br>製造プロセス技術を革新する「Tick」と、マイクロアーキテクチャを刷新する「Tock」を交互に実施してプロセッサを進化させていく。
写真1●インテルのTick-Tock戦略
製造プロセス技術を革新する「Tick」と、マイクロアーキテクチャを刷新する「Tock」を交互に実施してプロセッサを進化させていく。
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 Tick-Tock戦略とは、製造プロセス技術を革新する「Tick」と、マイクロアーキテクチャを刷新する「Tock」を2年おきに交互に実施して進化させていくというもの。Haswellは、マイクロアーキテクチャを改良するTockパターンに相当するプロセッサで、マイクロアーキテクチャが大きく変わる順番になる。

 前回のTockパターンは、32nm製造プロセスで新しいマイクロアーキテクチャを採用した第2世代Coreプロセッサ「Sandy Bridge」が該当する。続いて2012年に登場したIvy Bridgeは、本来ならTickパターンのため、Sandy Bridgeを22nmの製造プロセスで実現するという性格のものだったが、変更点が多かったため第3世代Coreプロセッサとなった。

 Haswellの改良点は、大きく分けると以下の3つがある。

  • マイクロアーキテクチャ
  • GPU部分
  • プラットフォーム全体としての低消費電力化