2012年9月11日から13日まで、米サンフランシスコで開催された「Intel Developer Forum(IDF) 2012」は、米インテル社が定期的に開催する開発者向けのイベントである。このIDFでは、開発中のCPUに関する情報などインテルの最新の開発情報が明らかにされる。今後のIT業界の動きを知る意味でも見逃せない重要なイベントである。
今回のIDF 2012 San Franciscoでは、「Intelは広範囲に渡る一貫性のあるアーキテクチャを提供する」ことが改めて強調された。初日のキーノートに登壇したIntelアーキテクチャ担当の最高製品責任者であるDavid Perlmutter氏(写真1)は、壇上で左手にHPCサーバー向けのXeon Phiプロセッサ、右手にスマートフォン向けのAtom(開発コード名:Medfield)という開発中のCPUを持ち、同じアーキテクチャで大規模サーバーからスマートフォンまで幅広くカバーしていくことをアピールした。
注目を集めた次世代Coreシリーズ「Haswell」
中でも注目を集めたのは、現在開発中の新プロセッサ「Haswell」(コード名)である。Haswellは、現在のメインストリームプロセッサであるCoreシリーズ(Core i3/5/7)の第4世代目に相当するプロセッサである。今回のIDF 2012で、その詳細がはじめて明らかになった。
CoreシリーズはデスクトップPCのCPUとしても広く使われているが、キーノートの中でPerlmutter氏がHaswellのターゲットとして強調していたのはUltrabookである。
インテルは2011年からUltrabookというコンセプトで薄型軽量ノートPCの普及を促進している。Perlmutter氏は現在のUltrabookは「まだまだ序の口」で、Windows 8の登場と合わせHaswellでは新しいタイプのUltrabookが登場するという(写真2)。
具体的には、一般的なノートPCやタブレットに加え、取り外し型やコンバーチブル型といった新しいUltrabookが登場し、より幅広いユーザーニーズをカバーするようになると予測する(写真3)。用途や機能の面から見ると、高速な音声認識、インスタントオン、720pカメラ、常時データ更新、マルウエア対策、フルHDディスプレイ、各種センサー、顔認識、タッチ、1日持続するバッテリー、より高い性能などが実現されるだろうという(写真4)。
そのためにHaswellは、現在の第3世代Coreシリーズ(開発コード名:Ivy Bridge)と同じ22nmプロセス技術で製造する。Ivy Bridgeと同じ消費電力で約2倍の性能を実現する。同じ性能のままで、消費電力を半分にするモードも用意すると同時に、待機時の消費電力を最大20分の1にすることで、弱点となっている電池の持ちについて大幅に改善する(写真5)。これにより「すべてをカバーできる」(Perlmutter氏)と自信を見せる。 2013年後半に提供することを明らかにした。