“勘と経験”だけでなく、最新の“データ分析”に基づいた知見を生かして勝てる組織を作る――。

 ブラッド・ビッド主演の映画『マネーボール』では、データ分析手法「セイバーメトリクス」を取り入れることにより、弱小チームが強豪に生まれ変わる様が描かれている。

 このセイバーメトリクスにも、ビッグデータの波が押し寄せている。カメラから得られた情報を自動的にデータ化していく「トラッキング技術」により、人がスコアブックに書いていたデータとは比較にならないほど膨大なデータを収集できるようになった。データ収集の自動化により、安価に膨大な量のデータを分析・活用できるようになりつつある。その結果、データ分析の適用領域が大きく広がり、野球の構造理解が一段と進んでいる。

 国内におけるセイバーメトリクスの第一人者が、勝つための組織運営という観点から、プロ野球界でのビッグデータ分析について解説する。

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