トレンドマイクロは1988年の創業以来、お客様のI T環境を守り続けてきた。日本ではコンシューマー向け製品のイメージが強いかもしれないが、企業向けでも高い市場シェアがある。世界のトップ50社のうち48社が当社のセキュリティソリューションを導入する。

物理環境と仮想環境が混在、モバイルのトラフィックは急増

トレンドマイクロ 取締役副社長 日本地域担当 グローバルコンシューマビジネス担当 アジア・ラテンアメリカ地域営業推進担当 大三川 彰彦 氏
トレンドマイクロ
取締役副社長 日本地域担当 グローバルコンシューマビジネス担当 アジア・ラテンアメリカ地域営業推進担当
大三川 彰彦 氏

 脅威は時代とともに変わってきた。IT環境が変化すると新しい脅威が生まれる。とはいえ、古いタイプの脅威が消えるわけではない。私たちは最新の脅威だけでなく、古い脅威にも備える必要がある。当社は20年以上にわたってノウハウを積み上げ、トータルなセキュリティソリューションとサービスを提供し、新旧の様々な脅威に対抗している。

 最近のIT環境のうち、特に注目を集めるのがクラウドとモバイルである。クラウド環境の浸透で、IT環境は物理環境と仮想環境が混在し、複雑化が進んでいる。片やモバイルの分野ではスマートフォンやタブレット端末が普及し、ビジネスでも使われるようになった。インターネット全体に占めるモバイルのトラフィックは急増し、10%を超えている。

 物理環境が主体で、モバイル端末が使われていなかった時代、企業のIT環境はシンプルで、セキュリティ対策も比較的シンプルなもので対応できた。しかし、仮想環境での利用、社外とのデータのやり取りが増えた環境では格段に高度なセキュリティ対策が求められる。

 今後、注意すべきポイントは「3つのC」で表せる。Control over Risk、Cloud、Consumerizationで、言い換えると順にサイバー攻撃対策、クラウド、モバイルになる。当社はこれに「セキュリティインテリジェンスセンター」を加えた4分野に注力し、セキュリティ対策の強化を進めている。

 第1のサイバー攻撃対策についてみると、企業の持つ情報資産に対して持続的に攻撃を加える標的型攻撃の増加が最近の傾向である。この脅威から情報資産を守るには、不正プログラムの侵入を防ぐ入り口対策だけでなく、大事な情報を外に出さない出口対策も重要だ。また、攻撃を可視化して何らかの動きがあれば、すぐに把握できる仕組みも欠かせない。トレンドマイクロはそのセキュリティサイクル全体に対応したサービス、ソリューションを提供する。

 第2のクラウドに関しては、物理環境と仮想環境が混在する環境でシームレスなセキュリティの実現が最大の課題になる。トレンドマイクロは物理環境で得た長年の蓄積に加え、いち早く仮想・物理環境下でのセキュリティにも取り組んできた。当社のTrend Micro Deep Securityをはじめとする各種ソリューションを数多くのクラウド事業者、ユーザー企業が導入している。

 第3のモバイルの分野では、マルチデバイス化やBYOD(ブリング・ユア・オウン・デバイス)への対応が課題だ。多種多様なデバイスのセキュリティ管理、盗難や紛失時のデータ保護などを実行するほか、スマートデバイスが取り込む外部のアプリケーションやデータの扱いにも注意を払うべきだ。

潜在的な脅威を可視化し世界中の製品に即座に反映

 BYODでは自由度と管理性のバランスが最も重要だ。個人所有のデバイスの使用を認めるにしても、そのデバイスを企業のITマネジメント下に置くような仕組みが必須だ。当社はコンテンツセキュリティとデバイスマネジメントを製品とサービスの両面で提供し、それに対応する。前者はWebの脅威への対策、不正アプリ対策、SNSフィルターなどを備え、後者は紛失・盗難対策、機能制限、一元管理などの機能を持つ。

 第4のセキュリティインテリジェンスセンターは、脅威の動向を分析しながら、一歩先のセキュリティ対策を提供する。何らかの攻撃を受けてから対策するのでは不十分だからだ。

 セキュリティインテリジェンスセンターを支えるのはTrend Micro Smart Protection Network(SPN)。毎日11億5000万件の脅威検体が届き、毎日9万件の新しい不正プログラム検体を検出、毎日2億件の脅威をブロックする。ネットワークやゲートウエイ、サーバー、クライアントといったあらゆる分野に設置した当社製品が不正な通信や挙動を検出すればSPNに登録、その情報を解析したうえで世界中の当社の製品に即座に反映させる。

●エンタープライズ市場での注力分野
●エンタープライズ市場での注力分野
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 複雑化の一途をたどるクラウド環境、モバイル環境の安全を守るため、当社はソリューションとサービスを一段と拡充し、パートナーと力を合わせて企業のセキュリティ確保に役立ちたい。