2011年9月の東京ゲームショウのKONAMIブースでは、一つの変化が起きていた。例年なら、新作ゲーム目当てに長蛇の列になるのだが、一番長かったのはソーシャルゲーム『ドラゴンコレクション』の限定カード配布列だった。
2010年にいち早く、経営の舵をソーシャルゲームに切り、大手ゲームパブリッシャーのソーシャルゲームへのシフトを先導したともいえるコナミデジタルエンタテインメント。同社・田中富美明社長に、ソーシャルゲームやその他のプラットフォーム向けゲームの現状や今後について聞いた。
2011年はどのような年でしたか?
田中富美明氏(以下、田中氏):変化し続けることの大切さを認識した年でした。
従来のゲーム業界は、新しいハードウエアが登場して、新しい表現が可能になり、そのプラットフォームに対してゲーム性のイノベーションが起きるという、提供する側(メーカー側)の変化でした。
しかし、今はソーシャルゲームの時代。遊ばれているユーザーの皆さんの変化を見ながら、ゲームを変化させていくことが基本となりました。変化の起点が提供側ではなく、ユーザー側に移ったのです。ユーザーから起こる小刻みな変化に対応していくことの重要性を、改めて認識しました。
また、ソーシャルゲームという大きなうねりに、ただ乗っていればよいのではなく、さらに次をめがけて変化し続けていかないと、お客様からもすぐ飽きられてしまう。『ドラゴンコレクション』や『プロ野球ドリームナイン』がヒットしていますが、お客様の動向を常に見ながら、対応していくことが重要です。