by Gartner
ジャッキー・フェン VP兼ガートナーフェロー
亦賀 忠明 リサーチVP兼最上級アナリスト

 この1年で、最も成熟が進んだ先進テクノロジーは、ビッグデータ、3Dプリンティング、アクティビティストリーム(行動履歴)、インターネットテレビ、NFCペイメント、クラウドコンピューティング、メディアタブレットだ。

 ハイプ・サイクルは、1900種類のテクノロジーを分析し、ユーザーの期待度の推移を示したものだ。テクノロジーの成熟度やビジネス上の利益、将来の方向性を類推できる。は複数あるハイプ・サイクルのうち、ガートナーが毎年選定している先進テクノロジーに焦点を当てたものだ。

図●先進テクノロジーのハイプ・サイクル(2012年版)
図●先進テクノロジーのハイプ・サイクル(2012年版)
ここではマスターデータのメンテナンス機能を例に比較した
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 コンシューマライゼーションは従来の予想より早く、2~5年で安定期に達するだろう。私物デバイスを業務に利用するBYODや、特殊な樹脂で3次元物体を自在に作り出せる3Dプリンティング、ソーシャルメディアで顧客を分析するソーシャル分析については、期待度がピークを迎えている。

 最新版で特に注目してほしいのが、「転換点テクノロジー」という考え方だ。例えば「デバイスを問わず、いつでもどこでもサービスを受けられる」というシナリオを実現しようにも、あと1~2個のテクノロジーの成熟が足りないために、実現には至らないことがある。この位置づけにあるのが転換点テクノロジーだ。このシナリオの場合、デバイスを問わない操作環境を実現するHTML5や、デバイスの電池寿命を高めるシリコン負極電池などが該当する。