ウイルス新時代においても、ユーザーが取り得る対策自体は、従来とほとんど変わらない(表1)。

表1●複数の方法で守る「ウイルス対策5カ条」
表1●複数の方法で守る「ウイルス対策5カ条」
「これだけやれば大丈夫」という対策はない。複数の対策を組み合わせて、ウイルス感染の危険性を低くする必要がある。
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 重要なことは、複数の対策をきちんと組み合わせること。「これだけやれば大丈夫」という対策はないことを肝に銘じてほしい。

 具体的な対策としてまず挙げられるのは、ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)を利用すること。既知ウイルスの検出・駆除に、大きな効果が期待できる。

 前章で説明したようなレピュテーション機能を備える製品なら、新しく出現したウイルスや、標的型攻撃のウイルスを検出できる可能性もある。製品選択の際には、同機能の有無をチェックしてもよいだろう。

 市場には、たくさんのウイルス対策ソフトがある(表2)。主要製品の多くは、ファイアウオールや迷惑メール対策、詐欺対策、侵入防止といった、複数の機能を備える統合製品だ。

表2●セキュリティソフトの例
表2●セキュリティソフトの例
有料の個人向けセキュリティソフトの例。いずれも、ウイルス対策以外のセキュリティ機能(ファイアウオールや迷惑メール対策、侵入防止など)を備える統合ソフト。
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 最近の特徴は、マルチプラットフォームに対応した製品が増えていること。Androidウイルスが出現していることを受けて、Android向けの対策ソフトを同こんした製品が登場。Mac向け対策ソフトを同こんする製品もある。

製品ラインアップは豊富

 同こんする製品を用意していないメーカーでも、別製品として用意しているところがほとんどだ。

 インストールできる台数も、製品によってさまざま。2~3年前は、3台までインストールできる製品がほとんどだった。

 現在でも、主要製品の多くは3台にインストール可能だが、同じユーザーが所有する機器に対しては無制限でインストールできる製品や、1台までとして価格を抑えている製品もある。

 メーカーによっては、機能をウイルス対策のみにして価格を備えた製品や、インストール可能台数が異なる製品を用意している。

 無料ソフトもある。例えばマイクロソフトは「Security Essentials」という製品を用意している。同製品に限らず無料製品の多くはウイルス対策機能しかない。電話対応といった手厚いサポートもない。

 なお、有料・無料を問わず、どの製品を使う場合でも、過信は禁物だ。いずれの製品でも100%の検出率は望めない。ウイルス対策ソフトを使っていたにもかかわらず、検出できずにウイルスに感染してしまった事例は多数報告されている。あくまでも、やるべき対策の一つにすぎないと考えてほしい。