テクニカルアドバイザーの大月英照です。5年先を生き抜くITエンジニアになるための情報をお伝えしているこの連載も今回で第3回になりました。第1回第2回はアプリケーション寄りの話が多かったので、今回は少しインフラに焦点を絞ってお伝えしていきます。

 記事タイトルにも書いたように、「クラウド」「ビッグデータ」がインフラ系の業界を中心に話題になっています。ITサイトや新聞の紙面上で見ない日はないほどに、皆さんも毎日接している単語なのではないでしょうか。

 ですが、この単語について説明してください、と言われてすぐに正確な説明ができる人は少ないと思います。まずはこの言葉の一般的な定義から話を始めていくことにしましょう。ただし、あくまでこの記事向けに多少大づかみに定義しておりますので、あしからず。

<クラウド>

 ここでは求人の観点を意識して、クラウドを2つに分けて理解したいと思います。まず1つ目は「データセンター内のサーバーを効率的に活用しているB to Bサービス」。パブリッククラウド/プライベートクラウドと呼ばれるような形態でデータセンターのサーバーを仮想化技術などによって共有することで、マンションを分譲されるように効率良くデータセンター内のハードウエアを活用できます。

 2つ目は米グーグルのGmailや、米ドロップボックスのDropbox、米エバーノードのEvernoteといった「B to Cのパブリッククラウドサービス」を指す場合です。こちらのサービスは実際にデータセンターを利用している実感はなく、まさしくクラウド(雲)上にデータを保存している感覚です。こうしたサービス全般もクラウドサービスと呼ばれています。

<ビッグデータ>

 米国で成功したネットベンチャーは、初期投資を抑えるためにオープンソースソフトウエアで大量のデータを保有できるシステムを作り、それを解析してビジネスチャンスを逃さないようにしています。

 そうしたアーキテクチャーのクラウド型のシステムを一般企業にも転用していくのが、ビッグデータの取り組みになります。この場合、企業のサービスがB to BもしくはB to C、いずれであってもビッグデータ活用の効果は発揮すると考えられます。しかし、現時点ではインターネットの企業以外でビッグデータを活用して、成功しているという話はまだまだ少ない状態です。

 いかがでしょうか。ここまで皆さんの想像と差異はなかったでしょうか?次はクラウド、ビッグデータに関する求人の現状をお伝えします。