米キャンベルスープカンパニーは、2000年初頭まで経営不振にあえいでいた。それを立て直したのが、著者で2011年までCEO(最高経営責任者)だったダグラス・コナンだ。

 コナン流のリーダーシップは、人との接点や触れ合いを意味する「タッチポイント」を大切にする。リーダーの元には電話、メールや急な来客など割り込みの用件が常に入ってくるが、これらの割り込みを人と触れ合って状況を改善するチャンスと捉えよと説く。例えばコナンは物流拠点やオフィスに頻繁に顔を出してあいさつして回った。これにより現場スタッフたちは自身の考えをトップに伝えるようになった。接する相手の心に響かせる手法は、日本のリーダーにも参考になる。

リーダーの本当の仕事とは何か

リーダーの本当の仕事とは何か
ダグラス・コナン/メッテ・ノルガード共著
有賀 裕子訳
ダイヤモンド社発行
1575円(税込)