NTT西日本は、インターネットを使った生活サポート関連事業を強化する。店舗や専門事業者とのアライアンスによる生活密着型サービスの普及を促進し、フレッツ光ユーザーによるインターネットの利活用を活性化させるのが狙いである。

 具体的な取り組みとして、スマートフォンやタブレット端末を使って自宅から塾の講義を受けられる「リビング学習サービス」、遠隔協奏を実現する「光☆DUETTO」、高齢者の生活をサポートする「シニア向けライフサポートサービス」、光BOX+向けの取り組みである「スカパー!オンデマンド」と「ねっとTV京都府」、店舗オーナー向けに公衆無線LANスポットを設置する「DoSPOT」を、今後提供予定である。

教材の撮影画像から塾の講義映像を呼び出し

 塾の講義映像を活用し、自宅にいながら学習できるのが「リビング学習サービス」である。タブレット端末で教材のテキストを撮影すると、当該カ所に関連した講義映像が端末に自動的に配信される。

 NTT研究所が開発した「Kappan」技術を用いて、書籍などの印刷物に手を加えずに表示位置(「教科書AのP.100」など)を特定し、その位置にあらかじめ関連付けられた電子教材(撮影した教科書のページ内容を解説する映像など)を端末に表示する。Kappan技術では、文章を読まない方向(横書き文章なら縦方向)の「文字の配列」が表示位置に固有になりやすい特徴を使い、教材テキストの表示位置を特定している。文書画像の品質が悪く、わずかな文字しか正しく認識できなくても、高精度に位置を特定できるという。

 リビング学習サービスは、2011年9月に実施した浜学園とのフィールドトライアルの内容をふまえて作りあげており、2012年度の第3四半期に提供を予定している。具体的な利用端末や料金、対応する科目や教材については、現在検討中である。

 「光☆DUETTO」は、フレッツ光ネクストの低遅延という特長を生かして、離れた場所にいる演奏者同士が楽器を共演できるサービスである。離れた場所の仲間とセッションを楽しめるほか、楽器の演奏指導といった用途でも利用できる。サービスの利用に必要となる「光☆DUETTO端末」にコンボジャックで接続できる楽器であれば、何でも利用できる。演奏者のサービス利用回線がNTT東西にまたがっても共演できる見込みである。ヤマハとのアライアンスで、2012年11月から提供し、サービス開始から2年間で2000端末の利用を見込んでいる。

 同社のAndroid OS搭載セットトップボックス(STB)「光BOX+」を使ったスカパーJSATのビデオオンデマンド(VOD)サービス「スカパー!オンデマンド」の提供は、2012年度第3四半期以降の開始を予定している。光BOX+ではインターネットの利用促進を目的に、生活関連や動画関連のサービス強化を進めている。動画関連では発売当初からフールージャパンの「Hulu」に対応しており、2012年8月にはNTTぷららの「ひかりTV」アプリの提供を開始していた。NTT西日本では今後、光BOX+において「さらに多くの動画配信サービスの提供を予定している」という。