景況感が改善しないためか、震災後に強まったリスク回避の世相か――。日経コンピュータ恒例の「IT業界就職人気ランキング」では、ネット企業の人気に陰りが見える一方で、実績のある大手ITベンダーの人気が高まった。職種別の採用活動を取り入れる企業が増えるなど、就職後のキャリアを思い描きやすい会社が、学生の支持を集めている。

 2013年4月入社予定の学生を対象にした企業の採用活動が行われている。今年は就職活動のスケジュールに大きな変化があった。日本経済団体連合会が新卒採用に関する倫理規定を改定し、広報活動の解禁日を2011年12月1日へと2カ月遅らせたのだ。

 面接など選考プロセスは例年通り2012年4月の開始に据え置いた。結果として学生は、短期での業界や会社研究を迫られた。企業の採用担当者は「短い期間で学生との接点を確保し、どう会社や業界の魅力を伝えるかが課題だった」(富士通人材採用センターの豊田建センター長)と語る。

 こうした変化も踏まえ、就職活動中の学生たちはIT業界各社をどう評価したのか。日経コンピュータは楽天の就職活動支援サービス「みんなの就職活動日記」と共同で、2013年3月卒業予定の学生を対象に「IT業界 就職人気ランキング」調査を実施した(図1)。集計結果からは、IT業界への就職を希望した学生の意識変化が見えてくる。

図1●IT業界における就職人気の総合ランキング(社名は2012年4月1日時点)
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