コミュニケーションサービスの人気を軸として、プラットフォーム化を実現するなど拡大を続けるLINE。そのLINEは今後、どのような方向に向かおうとしているのだろうか。拡大を続けるうえで、課題はないのだろうか。今回は、LINEの最近の取り組みから今後の方向性を確認するとともに、LINEが現在抱える課題と、それに対してどのように対処しようとしているのかを解説する。

ソーシャル要素を取り込む「ホーム」と「タイムライン」

写真1●「ホーム」に自分の現在の状況を記述すると、友人の「タイムライン」にそれが表示される
写真1●「ホーム」に自分の現在の状況を記述すると、友人の「タイムライン」にそれが表示される

 LINEはこれまで「トーク」機能を主体としながら、無料通話機能を用意するなど、アドレス帳をベースとしたクローズドな人間関係に、リアルタイムなコミュニケーション手段を提供することで人気を獲得してきた。だがLINE Channelによるプラットフォーム化に加え、「ホーム」「タイムライン」といった新しい機能の追加によって、その環境も徐々に変わりつつある(写真1関連記事)。

 LINEに8月から用意されたこれら二つの機能は、ともにLINEの友達同士で情報を共有するものである。「ホーム」は自身のホーム画面を示し、カバー写真を変更したり、テキストや写真、位置情報などを用いて自分の近況を伝えたりできる機能。Facebookのタイムラインに近い機能だ。

 一方のタイムラインは、友人のホームに記述された内容を閲覧したり、コメントしたりできる機能。こちらはイメージとしてはTwitterに近いが、LINEらしくテキストだけでなく、スタンプでコメントできるようになっている。なお、自身のホームの近況を「友だち」のタイムラインに表示するかどうかの公開範囲は、「友だち」ごとに設定可能となっており、クローズドな中でもさらに私的なやり取りができるようになっている。

 ホームやタイムラインは、従来のLINEが持つリアルタイムなコミュニケーションではなく、SNSの要素が強いものとなっている。リアルな友人同士でのコミュニケーションという軸は維持しながらも、こうした要素も取り込むことにより、他のSNSと対抗する姿勢を明確にしたといえる。