TwitterやFacebookなど、さまざまなコミュニケーションツールが人気を集めているが、そうした中、日本発のサービスとして注目を集めているのが、NHN Japanがスマートフォン向けを中心に提供している「LINE」だ。2011年6月のサービス開始以降、国内外で急速に利用者数を伸ばしており、8月17日には全世界での登録ユーザー数が5500万を突破(LINE公式ブログ)。その急成長ぶりは、Facebookをもしのぐ。

 こうしたLINEの急成長ぶりや、「無料通話」「スタンプ」といったLINEに関連する断片的な情報は知っているが、実際にLINEがどのようなものであり、従来のソーシャルメディアとは何が違うのかということを、意外と知られていないのではないだろうか。そこでまずは、LINEの最も基本となるサービスや仕組みについて解説する。

LINEの基本は多人数チャットができる「トーク」

写真1●LINEの基本機能はチャットができる「トーク」
写真1●LINEの基本機能はチャットができる「トーク」
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 LINEは現在、さまざまな機能を備えた総合プラットフォームへと変化しつつあるが、最も基本となる機能は、LINEのサービス開始当初から提供されている「トーク」だ(写真1)。

 これは、パソコンなどでよく使われているインスタントメッセンジャーに相当する機能で、特定の相手に対して文字を入力すると、瞬時にその相手にメッセージが届くというものだ。Eメールよりもスピーディーなメッセージのやり取りができるうえ、特定の相手とだけ会話をするため、公の場にメッセージが公開されることがなく、クローズドな仲間内でのコミュニケ―ションが取れる。

 ただしLINEのトーク機能は、単にリアルタイムのチャットを楽しむためだけに使われているわけではないようだ。多くのユーザーのLINEの使い方を見ると、携帯電話のEメールやSMSなどと同じような感覚で、メッセージを非同期で送り合う用途に活用する人も少なからず見られる。LINEのトークは、写真や動画、位置情報などを添付して送る機能も備えていることから、携帯電話のEメールよりスピーディーな連絡手段として、トークが活用されていると考えられる。

 ちなみにトークは他のインスタントメッセンジャーサービス同様、1対1でのチャットだけでなく、複数の利用者を選ぶことでグループでチャットをすることも可能だ。複数の友達同士で同時に会話ができる点も、携帯メールとの大きな差別化要因になっていると考えられる。