写真●タビオの真砂輝男執行役員システムソリューション部メディア部部長
写真●タビオの真砂輝男執行役員システムソリューション部メディア部部長
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 靴下専業のSPA(製造小売り)であるタビオは、国内生産の「メード・イン・ジャパン」にこだわる企業である。生産にかかる人件費は当然高いが、その分は無駄な在庫を無くすことでカバーしている。タビオは「売れた物を売れた分だけ作り、店舗に届ける」ことを命題に掲げ、店舗発注の2日後には靴下を1足単位ですぐに補充できるSCM(サプライチェーン・マネジメント)を構築済みだ。システムは常に磨きをかけている。

 CIO(最高情報責任者)に相当する真砂輝男執行役員システムソリューション部メディア部部長は、ここ2年ほどのシステム強化点として、IFRS(国際会計基準)対応などに加えて、商品の品番統合を挙げる。単品管理の精度をさらに上げて、在庫管理をより徹底する。そのための基幹システムは、独SAPのERPパッケージで構築している。

 真砂執行役員は「在庫を残さないことが最大のコスト削減につながる。廃棄が増えると、利益は残らない」と語る。売れ残る不良在庫を極力抑え、在庫ロスの削減に会社を挙げてまい進する。そのためにも、売れた商品を2日で補充していけば、売れ残りはほとんど起きないというのがタビオの基本的な考えなのだ。

 もっとも、ギリギリの在庫で売り場を回せば、在庫リスクは少なくても、販売機会損失を生む可能性は高まる。そこがSPAとして、全国270カ所以上に店舗網を持つタビオの運営面での腕の見せどころになる。同じSPAでも事前に大量発注して商品を確保して販売するユニクロとは、ビジネスモデルが大きく異なるわけだ。真砂執行役員は「一口にSPAといってもタイプは様々だ。当社は在庫が少ない分、販売機会損失を起こしやすいSPAなので、その点にはいつも注意している」と話す。

Profile of CIO

◆経営トップとのコミュニケーションで大事にしていること
・とにかく、トップの想いを聴くことです。

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◆普段読んでいる新聞・雑誌
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