政府は2012年8月10日、初代の政府情報化統括責任者(政府CIO)にリコー出身の遠藤紘一氏を“任命”した。政府CIOは、中央省庁の情報システム刷新を主導する。国会で審議中の「マイナンバー制度」導入に伴うシステム調達や省庁間の調整においても、重要な役割を担う。
ただし現時点では、政府CIOの具体的な権限を規定する法令は未整備で、“任命”の法的根拠は乏しい。早期の解散が取りざたされる国会情勢では、マイナンバー制度の行方も流動的だ。先を見通しにくい状況ではあるが、まずはこれまでのITproの記事から、遠藤氏の素顔に迫ってみたい。
遠藤氏に関する数多くの記事から浮き彫りになるのは、情報システム導入以前の業務プロセス改革(BPR)を重視し、小さな成果をこつこつと積み上げていく実務家型のリーダー像だ。民間人の立場から、政府に対して厳しい指摘をする論客でもあった。これからは政府の一員として腕を振るうことになる。
政府CIOに遠藤紘一氏を起用
「リコー遠藤副社長が指南!間違いだらけの業務改革」
- 第1回「活動のリソースが無いからと諦める」
- 第2回「大き過ぎる目標を立てて挫折する」
- 第3回「本質的な解決ができない(上)」
- 第4回「本質的な解決ができない(下)」
- 第5回「標準化と一本化を取り違えてしまう」
- 第6回「IT導入前にすべきことを誤る」
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