スマートフォンやタブレットも一種のコンピュータである。パソコンよりもきょう体が小さく、メモリーなどの増設もできなければ、拡張ボードなどを入れることもできず、基本的には購入時のハードウエアをそのまま利用する。パソコンに似ているとはいえ、スマートフォンは携帯電話を発展させたものでもある。スマートフォンのディスプレイのサイズなどを大きくしたものがタブレットとなる。
“タブレット”と呼ばれる機器の中にはパソコン用OSのWindowsが動作するものもある。だがこれはハードウエアの構造からはキーボードのない“ノートパソコン”である。ここではスマートフォンと同等の内部構成を取るタブレットを取り上げる。基本的にはディスプレイやバッテリーなどのサイズが違うだけと考えてよい。
オーソドックスなスマートフォンで内部構造を理解
今回の記事は米Googleの「Nexus one」(写真1)の内部構成を見ていこう。
Nexus oneはAndroid 2.xの初期に出たスマートフォンであり、Googleの要求に従って台湾HTCが開発した。開発者向けのハードウエアとして販売されていたこともあり、その内部構成は非常にスタンダードなものと思われる(表)。
CPU | Qualcomm QSD8250(ARMv7 Scorpionコア) |
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クロック周波数 | 1GHz |
RAM | 512MB |
内蔵ストレージ | 512MB |
GPU | 内蔵(Adreno 200) |
ディスプレイ | 3.7インチAMOLED |
解像度 | 480×800 |
メモリーカード | マイクロSDカードスロット |
カメラ | 2560×1920、オートフォーカス |
センサー | GPS/地磁気/加速度/近接 |
3G | HSDPA 7.2Mbps |
3G周波数 | 900/1700/2100または850/1900/2100 |
2G | GSM/GPRS/EDGE 236.8kbps |
2G周波数 | 850/900/1800/1900 |
無線LAN | IEEE 802.11 a/b/g |
Bluetooth | v2.1+EDR |
バッテリーー | 1400mAhリチウムイオン電池 |
スタンバイ時間 | 最大290時間(2G) |
通話時間 | 最大10時間(2G) |
OS | Android 2.1(販売時) |
サイズ | 119×59.8×11.5ミリ |
重さ | 130グラム |
発表 | 2010年1月 |
スマートフォンの匡体内部には、以下のようなパーツが収まっている(図1)。
- メインボードなどの電子回路
- 液晶パネル
- タッチパネル
- カメラモジュールやスピーカー、マイクなどのメインボード外にある電子デバイス
- アンテナ