スマートフォンの2大アプリマーケットというべき、「App Store」と「Google Play」。この二つを見比べてみると、単に扱うプラットフォームが異なるだけでなく、ランキングに対する考え方や、ランク付けの仕組みに至るまで、さまざまな点が異なっている。
そこで今回は、両マーケットの最近のランキング動向を比べることで、それらのランキング動向における共通点と相違点を知ると共に、各ランキングのあり方から、マーケットやアプリの種類におけるプロモーション手法がどのように変わってくるかを解説する。
傾向が大きく異なる無料ランキング
ランキングは大きく分けて、無料、有料、売上(セールス)の三つがあることは第1回で解説した。最初に、App StoreとGoogle Playにおけるこれら三つのランキングの上位5位を、約1週おきに4週に渡って調査した結果を比較した。なおGoogle Playの無料・有料ランキングは、「人気」ではなく「人気の新着」を対象としている。
両者のランキングを比較して、最も大きな違いが出るのが無料のランキングだ(表1)。App Storeの「トップ無料」における上位5位の動向を見ると、ほぼ毎週のようにランクインするアプリが変化し、目まぐるしく順位が入れ替わっているのが分かる。
それに対し、Google Playの「人気の新着(無料)」における上位5位の動向を見ると、一部のアプリが3~4週にわたって継続的にランクインするなど、長期にわたって同じアプリがランクインする傾向が見られる。
こうした差が出るのは、ランキングを算出するためのアルゴリズムが、App StoreとGoogle Playで大きく異なっていることが影響していると考えられる。App Storeは比較的短期間のダウンロード数がランキングに影響するのに対し、Google Playはそれより長い期間でのダウンロード数がランキングに影響している見ることができる。
こうした違いから、App Storeでランクインをし続けるには、継続的なプロモーションが必要となることが分かる(写真1)。一方、Google Playでは、一度ランクインすれば継続的なランクインが見込め、それが有効なプロモーションになることから、アプリ公開直後の初期動向が、後の動向に大きな影響を与えるといえよう。