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前編 UTAUの導入と基本操作

2012/08/16
堀 彰宏=ライター (筆者執筆記事一覧
出典:日経Linux 2012年4月号pp.96-101
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 「UTAU」は、初音ミクのベースとなる「VOCALOID2」と同種の歌声合成ソフトであり、無料で利用できます。Windows用ですが、Windows互換の動作環境「Wine」を使えば、Linuxパソコン上で動作します。UTAUをUbuntuパソコンに導入してみましょう。

 歌声合成ソフトは、実際に録音した人の声を機械的に合成し、作曲者が意図した通りに、音程や歌詞を自由に変えたり、歌い方を変えたりできます。例えば「ドレミファソラシド」という音程に、「ドレミファソラシド」という歌詞を付けると「ドレミファソラシド」と、あたかも人間が歌っているように再現します。

 このようなコンピュータの音声で歌う音楽製品としては従来、ソフトウエアではなくハードウエアで音を出すものしかありませんでした。その歌声はリアルなものとはいえず、いかにもコンピュータで合成した声で音程を確認できるくらいです。そのため、カラオケの練習用に使われるなど、補助的な目的に使われていました。また歌詞の入力にはMIDIに関するやや専門的な知識も必要でした。

図1 歌声合成ソフトの過去と現在
図1 歌声合成ソフトの過去と現在
実際に人が歌っているように聴こえます。

 最近話題の「初音ミク」のベースとなっている歌声合成ソフト「VOCALOID2」などは声のコンピュータらしさはまだ少し残っているものの、かつての雰囲気とは全く違っています(図1)。元となる音声自体がとてもリアルなものになったほか、本物と区別がつかないような人の息遣いや、伸ばしている音程を小刻みに変化させるビブラートと呼ばれる緻密(ちみつ)な表現方法など、今までコンピュータでは難しいとされてきたことが実現できます。

 こういったリアルな表現ができることから、作曲者にとってはあたかも常時待機している専属のヴォーカリストが1人いるような感覚で音楽を制作できるので、人気があります。

Wineで歌声合成ソフトが動作

 歌声合成ソフトのほとんどがWindows向けの有償ソフトです。そのうちの1つ、飴屋/菖蒲が開発する無償の「UTAU」はWindows互換の動作環境「Wine」でも動作するように対処されているので、Linuxパソコン上で使えます。

 このUTAUとLinuxパソコンを組み合わせ、“バーチャルボーカルミュージック”を作成してみましょう。唱歌「蛍の光」を歌うサンプルを日経Linux 2012年4月号付録DVDに収録しました。また、下のボタンをからも再生できます。

UTAUをインストール

 まずは音楽制作に必要な環境として、サウンド機能を備える、LinuxをインストールしたPC1台と、ヘッドフォン(またはスピーカー)を用意します。ヘッドフォン(またはスピーカー)をつないで音が出ることは確認しておいてください。

図2 Ubuntuを最新版にする
図2 Ubuntuを最新版にする
アップデートマネージャーを使います。

 ここでは、Linuxディストリビューションに「Ubuntu 11.10 Desktop 日本語Remix」を使用しました。他のディストリビューションでもWineを導入すれば、ほぼ同じ手順でUTAUが動作するでしょう。

 なお、Ubuntuは最新の状態にします(図2)。デスクトップ画面の左側にあるランチャーにダンボールと矢印、右上に数値が示されたアイコンが表示されていれば、クリックして「アップデートマネージャー」を起動します。

 起動したら、そのウィンドウ内の[アップデートをインストール]ボタンをクリックし、ユーザーのパスワードを入力すれば最新の状態になります。もし、[すぐに再起動]ボタンが表示されていたら、クリックしてUbuntuを再起動します。

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