5月に傘下のカルピスを売却すると発表するなど注目を集めている味の素。本書は米国やブラジル、フランス、中国などの現地法人への視察を通じて、味の素のグローバル経営を詳説している。

 例えばタイであれば、現地の販売会社の営業部長とバンコクの小売りの現場に繰り出している。各国の視察や現地幹部・社員へのインタビューから、味の素の強さの秘密を導き出しているのが本書の特徴だ。

 著者は味の素のすごさの1つとして、海外派遣社員に現地の言葉の習得を徹底していることを挙げる。その国の独自文化そのものである食ビジネスを展開するうえで、言語の習得は欠かすことができない“イロハ”だという。

AJINOMOTOグローバル競争戦略

AJINOMOTOグローバル競争戦略
林 廣茂著
同文舘出版発行
2625円(税込)