負荷分散技術の基本を学ぶ解説書。本書の大きな特徴は、付属CD-ROMを使って、実際に手を動かして学べる点。CD-ROMにはVMware View用の仮想マシン(Ubuntu)が収録されており、負荷分散装置としてはBIG-IP LTM Virtual Editionのトライアル版を利用する。いずれも無料だ。

 本書の内容については、一般的な負荷分散技術はほぼ網羅されている。具体的には、負荷分散の概要、NAT、負荷分散方式、サーバー監視、セッション維持、アプリケーションスイッチング、SSLアクセラレーション、環境構築、仮想化技術─などが取り上げられている。また、BIG-IP LTMの設定方法も詳しく触れられている。

 最近は負荷分散技術を網羅的に解説した本があまり見られないので重宝する一冊だ。欲を言えば、NAT64/DNS64などIPv6周りの最新技術や、他のベンダーに関するトピックについても取り上げてほしかった。

サーバ負荷分散入門

サーバ負荷分散入門
みやたひろし著
ソフトバンク クリエイティブ発行
3360円(税込)