ITproのselfupで掲載している書評コラム「新刊・近刊」の中で、今年1月1日~8月2日に注目度が高かった20冊を紹介しよう。旅の移動時間などを有効活用できる面白い本を探す一助としていただきたい。

ケーススタディ系書籍

 特定企業や先進事例の動きを詳しく解説した書籍は、読み手を選ばない、人気が高い定番ジャンル。読み物としてただ共感しながら読み進むもよし、自企業で真似できる部分を見いだそうと考えながら読むもよし、様々な読み方ができる。

 特に、書評記事への注目度が高かったのが『iPadで現場を変える!』だ。モバイル機器活用や導入提案のヒントを得るのにも役立ちそうな1冊。

 ヒット商品のインサイドストーリーを取り上げた『ThinkPadはこうして生まれた』、そして人物評伝としても商品開発ストーリーとしても読める『スティーブ・ジョブズ I』は技術者にとっても共感できる部分の多い読み物だろう。

 経営の視点から成長企業の強さを捉えたい人には『社員を大切にする会社』『アップル、アマゾン、グーグルの競争戦略』がお薦めだ。

ビジネス啓蒙書

 非IT業種のビジネスパーソンを主対象としてITの最新活用動向を解説した書籍も、2冊の書評がベスト20入りしていた。『頭のいい人が変えた10の世界』と『ビッグデータ ビジネスの時代』はそれぞれ、最先端のITによる情報活用の高度化が社会をどう変えつつあるかを論じている。IT業界の動向を考えるうえで、頭を整理するのに役立つだろう。

 『「超」入門 失敗の本質』『なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか』『7つの危険な兆候』はビターテイストなマネジメント失敗の研究本。公的組織や大企業が衰退・失敗するパターンを分析的に解説したものだ。どちらかといえば経営層やマネジャー向きといえるがそれ以外の人が読んでも、蒸し暑いときにこれらの本が少しだけ気分を涼しくしてくれるかもしれない。

スキル強化関連書

 スキル強化関連書も、ITproでは人気のジャンル。ここでは、パソコン活用/ビジネス系スキル/ITスキルの3つに分類して紹介しよう。

 パソコン関連では『ひと目でわかるWindows 7トラブル解決テクニック』『PCのウイルスを根こそぎ削除する方法』の書評記事に注目が集まった。後者は、タイトルの勝利という感がなくもないが、こうしたテーマに興味を持つ読者が多いという事実自体、注目に値することかもしれない。

 ビジネススキル関連で注目度が高かったのは、プロジェクトマネジメント関連の『プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと』『プロマネやってはいけない 計画・管理編』の2冊。プロジェクトマネジメントについてはITproサイトでも多くの啓蒙記事を掲載しているが、これらと併せて読むことで一層見識を深めていただきたい。

 プロジェクトマネジメント以外のビジネススキル関連書籍では、アイデアの実行方法に焦点を当てた『アイデアの99%』と、会計を平易に解説した『ITエンジニアのための会計知識41のきほん』への注目度が高かった。

 ITスキル関連の注目書籍は様々だ。『Hadoop Hacks』『触れば分かる! Androidアプリ開発超入門』『知識ゼロから始めるLinuxサーバーの作り方』『携帯電話はなぜつながるのか 第2版』の4冊の書評がベスト20入りした。こうした特定技術への理解を深める機会としても、夏休みをぜひ有効に活用していただきたい。

書評記事ベスト20

1位●iPadで現場を変える!

2位●Hadoop Hacks

3位●プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと

4位●頭のいい人が変えた10の世界

5位●ThinkPadはこうして生まれた

6位●「超」入門 失敗の本質

7位●触れば分かる! Androidアプリ開発超入門

8位●スティーブ・ジョブズ I

9位●知識ゼロから始めるLinuxサーバーの作り方

10位●携帯電話はなぜつながるのか 第2版

11位●なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか

12位●社員を大切にする会社

13位●7つの危険な兆候

14位●ひと目でわかるWindows 7トラブル解決テクニック

15位●PCのウイルスを根こそぎ削除する方法

16位●プロマネやってはいけない 計画・管理編

17位●ビッグデータ ビジネスの時代

18位●アイデアの99%

19位●アップル、アマゾン、グーグルの競争戦略

20位●ITエンジニアのための会計知識41のきほん